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★「時間」「料金」「快適さ」何が重要か見極めよう
今週土曜日(12日)、九州新幹線が全線開通する。昨年暮れに東北新幹線も新青森まで開通しており、ついに青森から鹿児島までフル規格の新幹線が列島を縦断することになった。ビジネスマンの「出張の足(交通手段)」に変化はあるのか? いくつかの条件から考察してみよう。
■「3時間」がボーダーライン
昨年12月、東北新幹線が新青森駅まで全線開通した。今月5日には新タイプの「はやぶさ」がデビュー、これまで4時間かかった「東京−新青森」間が3時間20分に短縮された。来年には、はやぶさのスピードアップが予定され、そうなると3時間5分になる。また、九州新幹線は新大阪−熊本間が2時間59分と3時間を切る(鹿児島中央へは3時間45分)。
そこで、にわかにクローズアップされ始めたのが、「航空機VS新幹線」対決だ。たとえば東京−青森間が4時間かかったころは、羽田空港までの移動時間を加えても飛行機のほうが新幹線より速かったが、これからはほぼ同じ時間になる。新幹線は発車ギリギリに乗り込んでも間に合うが、飛行機は搭乗手続きのために空港での待合時間が必要だ。
また、新幹線は都市のど真ん中に停まるが、空港はたいてい郊外。その移動時間もけっこうかかる。それらを総合して3時間以内なら新幹線も飛行機と遜色ないことになる。最近は飛行機の利用が減少傾向でもあり、「3時間」のボーダーラインはますます重要になりそうだ。
■「割引サービス」を上手に活用
速さに加えて、もうひとつの条件は「料金」だ。通常料金で見た場合は、新幹線が断然有利。東京−大阪間往復では1万7000円もの差がつく。
ただし、よほど急用でないかぎり、飛行機の普通料金を利用することはないだろう。また、東京−大阪は宿泊プランが利用できる。ただ、札幌や福岡などにはビジネス用のプランがない。そこで事前予約の航空券をどれだけ安く確保できるかが重要になる。
飛行機の割引サービスは、予約の時期によって各種あるので、その違いをよく理解しておこう。現在、主要2社(日本航空、全日空)には往復割引のほか2カ月〜45日前予約の「スーパー先得」「スーパー旅割」などがあるが、ビジネス利用で割安なのは、いわゆる「特割」だ。
以前は予約期間で細分化されていたが、いまは路線別で、前日〜3日前までの予約であれば大幅な割引になり、キャンセル料などでタイプを差別化する内容になっている。空席状況次第だが、時期によっては半値近い割引が得られる可能性もある。前日予約でもかなりの割引が受けられるメリットがあり、ネット予約も簡単だ。
目的地が遠方であればあるほど、時間的には飛行機が有利になる。東京から九州・福岡の場合、飛行機なら新幹線より実質2時間は早くなる。料金面でも、前出の特割サービスや低価格の「スカイマークエアラインズ」便を利用すれば新幹線より安くなる場合もある。
ただし、直前の予約ではチケットの確保が難しく、ある程度計画を立てて購入する必要がある。金券ショップで格安チケットを入手する方法もあるが、最近はネット購入が普及してきたこともあり、破格のチケットが入手できる可能性は低い。
■「楽」か「安さ」か
出張の“足選び”は時間や料金だけとはかぎらない。移動中の「快適さ」も重要だ。慣れない出張地での仕事を前に、疲労や精神的ストレスを防いでおくことは、“いい仕事”をするには欠かせない条件だ。
「はやぶさ」は新幹線の最新タイプで、最上級の「グランクラス」は飛行機のファーストクラス並みの設備・サービスが特徴。ただし、料金はグリーン車+5000円となっている。そこまでいかなくても、最近の新幹線は普通車でも以前と比べれば広めの座席、スペースがあり、AC電源も確保された車両が増えてノートパソコンなどデジタル機器も自由に使える。この点は飛行機にはないメリットだ。
新幹線は途中で在来線に乗り換え、地方都市などへ向かう場合の手軽さも有利だ。東海道・山陽新幹線の「エクスプレス予約」と「EX−ICサービス」を利用すれば、割引のほか乗車変更も手数料無料で何回もできる、チケットレス乗車(モバイルスイカ利用)なども可能だ。乗車変更はビジネスの場合よくあることだが、携帯電話で予約や変更ができるのは魅力だろう。インターネットの普及で、飛行機も予約が簡単になってきたが、変更手続はまだ面倒なことが多い。心理的な負担を軽くするのもビジネスでは重要だ。
■もうひとつの選択肢「高速バス」
低コストを追求するなら、「高速バス」という手もある。かつては窮屈さ・不便さをガマンしてでも安さにこだわる人が使っていたが、いまは驚くほど内容が変わっている。特に、宿泊を前提にする出張なら、深夜発・早朝着の便で「車中泊」する手がある。その場合は、“快適性”がキーワードになる。
最近では「独立2列」や「3列ビジネスシート」「トイレ付き」などが常識化し、東京−大阪間なら7−9時間の乗車時間で1人1台のテレビやDVD、インターネット(無線LAN)などが8000−1万2000円で利用できる。格安料金なら3500円という驚きの価格設定の便もある。
高速バスは料金的なメリットだけでなく、地方都市へのアクセスでも利用できる面もある。都市と都市とを直接結ぶラインとしては、意外に活用されている交通手段でもあるのだ。
いずれにしても、最近の出張は“足”の選択肢が増えた。「時間」か「料金」か「快適さ」か、自分にとって何が最も重要かをはっきりさせたうえで選びたい。
■「宿泊プラン」で賢く節約
宿泊を前提にする場合によく利用されるのが「宿泊パック」。東京−大阪間のビジネス利用なら、往復航空券とビジネスホテル利用がセットになった「ダイナミックパッケージ」が便利だ。ネットで2−14日間の予約ができる。
相場としては直前で2万8000−3万3000円程度、期限いっぱいなら約2万−3万円前後だ(部屋はシングル。食事なし)。航空券(3万数千円)と宿泊(7000−8000円)を別々に予約すると4万円以上かかるので、うまくすれば半値以上の割引となる。
ダイナミックパッケージには東京、大阪ともビジネス街に近いホテルが用意されており、“常連客”も多い。急な出張でなければ、こちらのほうが簡単予約で割安だ。
また、「トクー!トラベル」などの旅行サービスサイトや「グルーポン系」の共同購入を利用する手もある。出張の多いビジネスマンにとっては、腕の見せどころだろう。
■「費用は削減、仕事量は増加」の出張事情
近年はネット環境の発達で「テレビ会議」なども利用されるようになり、出張の必要は少なくなってきている。とはいえ、対面が必要な出張は絶対になくならない。その分、企業は経費節減で対処している。
10年前と比べると、「出張回数(人数)の削減」と「日当の見直し」がともに15ポイントほど増加、「テレビ会議の導入・活用」も同じくらい伸びている。ただし、回数・人数が減った分、個人の仕事量は増えているようで、「宿泊から日帰り出張への切り替え」は逆に大幅に減っているのが特徴だ。
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